ケミカル・ブラザース/シングルス
ケミカル・ブラザースは1989年に結成されたトム・ローランズとエド・シモンズの2人によるダンステクノユニット。アンダーワールド、オービタル、プロディジーと共に、「テクノ四天王」とも呼ばれる。ブレイクビーツを基調とし、そこにロックなどを融合したサウンドは「ビッグ・ビート」、「デジタルロック」と呼ばれ、世界中のクラブミュージック・シーンに多大なる影響を与えた。
本作は2003年に発表されたベスト版。マーキュリー・レヴとのコラボによるサイケデリックロックの金字塔「ザ・プライベート・サイケデリック・リール」、ニューオーダーのバーナード・サムナーと組んだ「アウト・オブコントロール」、オアシスのノエル・ギャラガーを迎えた「レット・フォーエバー・ビー」等、テクノ四天王のなかでは最もロックとのつながりが強いので、ロックファンもすんなり聴けるんじゃないでしょうか。
テクノといえば一般的に無機質で無感情ですが、それゆえ現代社会に生きる我々がテクノを欲するのは必然であると僕には思われます。今日も明日も、この分厚くかつタイトなビートで、心の中で踊り倒しています。
山本智史